道路整備、防災対策、災害復旧などの土木工事、各種建築工事の設計・施工

トップページ

  • 採用情報
  • 若手社員インタビュー
建築部 より安全・快適な暮らしと空間づくりのお手伝い
1. 断熱・気密

 日本において昔は、もともと夏は暑いもの冬は寒いものという建物環境をそのまま受け入れ、がまんしているしかなかった。暖をとるとすれば、火鉢や囲炉裏などの局所暖房であり、就寝時には寝具(ふとん等)により体温の保持を図っていた。

 歴史博物館などで保存されている昔の民家を見学したりすると、部屋の一つにナンドとかネマという名称があります。納戸は今でいう収納室ですが、当時は寝室であり、窓がなくて藁などにくるまりながら家族が寄り添って寝た部屋です。日本の家は開いていましたが、やはり寒ければ寝られなかったので、こうした密閉空間で熱を失わないように就寝する工夫をしていました。このような狭くて窓のない空間で家族が寝ることは、衛生上の環境としては最悪で、子供が寝小便をすればその臭いが抜けず、ダニやシラミが繁殖し、ひとりが病気すれば皆に伝染したことでしょう。
 当時の民衆にとっては、この非衛生的なナンドから解放されることが願いでした。彼らが座敷で寝ることができるようになるためには、夜具が大衆の間まで行き渡る江戸時代中期まで待たなければならなかったのです。彼らは狭いナンドから布団という断熱材を被ってでていきました。それは大きな健康上の改革ではありましたが、囲炉裏を離れれば直ぐにその布団の中に入りこまなければならない生活は続きました。(出典:南雄三著「高気密・高断熱」バイブル (株)建築技術 2000年 より)


 その後近年になって、断熱・気密の考え方が導入され、各種断熱材の開発と相まって、建物全体の熱を逃がさないようにする断熱の在り方に移行していった。


(1)開口部(窓)

窓(イメージ)家の中で最も熱の弱点となるのが窓
窓など開口部からの熱損失は、住宅全体の3割程度を占めるといわれている。

  ⇒開口部の断熱は必須。
   そのためには ⇒複層ガラス(ペアガラス)
   予算があれば ⇒遮熱低放射複層ガラス(Lo-Eペアガラス)

  熱性能の比較(熱の通しやすさ)
  単板ガラス:複層ガラス:遮熱低放射複層ガラス=1.7 : 1.2 : 1


(2)壁

通気工法の登場
 ツーバイフォー工法の登場と壁内部結露問題
⇒ツーバイフォー工法(壁をあらかじめ工場で作り組み立てる工法)が、はじめて日本に導入された初期のころ、壁の内部に結露が発生して中から腐るということが社会問題となった。
このことを教訓に、在来工法でも壁の中の結露を起こさないようにする工法として、壁内通気工法が考案され、全国に普及した。
  
※「結露」とは ⇒空気が冷えると、空気中に含まれる水分が水蒸気(気体)から水(液体)になって現れるもの。温かい室内と冷え込んだ屋外との境界で起きやすい。

※「壁内通気工法」とは ⇒外壁材(サイディング等)の裏側に通気層を設け、壁内の湿気を軒裏あるいは棟換気口から排出して、内部結露を防止する工法。


(3)断熱材あれこれ
名 称 特 徴 熱伝導率※
グラスウール コストパフォーマンス(費用対効果)高い。
水蒸気を通したり含んだりするので、取扱にノウハウがある。
0.036~0.050
押出法
ポリスチレンフォーム
発砲スチロールと呼ばれているもの。燃焼時ガスを出す。
透湿抵抗が高く、内部結露に対して安全。
0.028~0.043
ポリエステル断熱材 ペットボトルのリサイクルでつくられるものもある。 0.036~0.045
ポリエチレンフォーム 燃焼時ガスを出す。 0.038~0.042
硬質ウレタンフォーム 透湿抵抗が高く、内部結露に対して安全。 0.023~0.026
フェノールフォーム 難燃性。色が移る変化をもたらす欠点あり。断熱性能は高い。 0.020~0.036
ウール(羊毛)、
炭化コルク
自然素材なので、人間に負荷をもたらさない(やさしい)。コストが高いことがネック。 0.038~0.049
※熱伝導率(w/mk)数値が小さい程、熱を伝えにくく断熱材としての性能が良い。
参考:コンクリート1.6 レンガ0.62 アルミニウム200 ガラス1.0 ヒノキ・スギ・マツ0.12 合板0.16

(4)基本的な考え方

●気密化の意味
何のために気密性を高めるのか ⇒
①室内空気中の水分が壁の中に移動して結露するのを防ぐ(内部結露の防止)
②内外温度差が大きい冬期における換気過多による寒さとエネルギーロスを防ぐ(隙間風の遮断)

気密性を高めることは「自然な換気」を否定するものではなく、換気をコントロールできるようにするための手段。
(隙間風≠換気)

壁の内部結露を防ぐ原則
  水蒸気は外に行くほど解放(家の外側を、内側より湿気を通しやすくする)

内部結露を起こさないための内外透湿抵抗比率
  北関東・甲信越・北陸は⇒ 外:内=1:3以上

内装材や断熱材に使われる材料の透湿抵抗※

(100mm)
防風層(透湿防水防風シート) 0.4以下
構造用合板(9mm) 10.3
アスファルトフェルト 5.0~3.0
グラスウール1.25
ポリエチレンフォーム(50mm) 60
防湿層(など) 170以上
ポリエチレンシート (0.1mm) 452
石膏ボード(12mm) 4.1
※透湿抵抗とは ⇒湿気は、量が多いところから少ないところへ移動し、その量や時間は、移動する材の透湿抵抗によって変わります。(ただし、この性質は気密性とは全く関係がありません) 数字が大きいほど、湿気を通さないという数値です。単位は、m3・h・mmHg/gという記号で表され、1m2当たり、1時間に1gの水分(湿気)を通すのに、いくらの気圧差(mmHg)が必要かということです。

  →外側に透湿抵抗の高いものを持つ場合には室内側も透湿抵抗を高くする。
  →構造用面材で透湿抵抗の小さいものが開発されている。(例:ダイライト12mm 透湿抵抗3.0)

●遮熱材
 輻射熱を反射する遮熱材(アルミ素材シート等)を利用することで、断熱の効果を高めることが期待されます。


ページTOPへ

TOPへ戻る2.耐震・制震・免震